処方プログラムを作成すると参加者にプラスの健康効果が得られることが研究で判明

写真：アディサ/シャッターストック

これまでに知られているこの種の研究としては最大規模で、フリードマン栄養科学政策大学院の研究者らによる参加者記録の分析により、無料の果物や野菜を提供するプログラムが健康と食料安全保障に目に見えるメリットがあることが判明した。

タフツ大学フリードマン栄養科学・政策大学院の研究者らによると、全米各地で非営利団体や地方自治体が「処方箋プログラムを作成する」を通じて食品を薬とする考えを試しており、有望な結果が得られているという。

医師が薬を処方するのと同じように、無料で健康的な食品を処方することで、臨床医や政策立案者は、食事関連の病気を持つ個人が果物や野菜を摂取する際の経済的障壁を取り除きたいと考えています。 具体的には、農産物の処方箋は、食料品店やファーマーズマーケットで無料または割引の農産物にアクセスするためのバウチャー、デビットカード、またはポイントカードを提供し、通常は食料に不安のある世帯を登録します。 タフツ氏主導によるこのような9つのプログラムの統合分析では、これらのプログラムが食糧不安の半減から血圧の低下まで、プラスの効果と関連していることが判明した。 この研究は、これまでに知られているこれらのプログラムの評価としては最大のもので、8月29日付けの米国心臓協会誌「Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes」に掲載された。

研究者らは、低所得で心臓代謝性疾患のリスクがあると特定された1,800人以上の子供と2,000人以上の成人からの調査と医療記録を分析した。 研究参加者は、2014年から2020年まで米国12州の22施設で実施されている農産物処方プログラムに登録されていた。各プログラムは、食事関連疾患の格差に対処し、果物を作ることで栄養の公平性を高めるために活動する全国的な非営利団体ホールサム・ウェーブによって運営されていた。そして、システムの変更により、低所得地域の人々にとって野菜がより入手しやすく、手頃な価格になります。

データは、果物と野菜の摂取量の増加（成人で1日あたり約1食分）と、成人の心臓代謝の健康状態の臨床バイオマーカーの改善を示しました。 たとえば、糖尿病患者では、過去 3 か月の平均血糖値の指標であるヘモグロビン A1C が 0.3 パーセント低下し、過体重または肥満の患者では BMI が 0.4 kg/m2 減少しました。 高血圧患者では、血圧も水銀柱 5 ～ 8 ミリメートル低下しました。 心臓代謝の健康に関するこれらの臨床バイオマーカーの改善は、コントロールされていない糖尿病、肥満、またはステージ 2 の高血圧を患っている参加者の間でより大きかった。

この研究では、子どもの参加者の果物と野菜の摂取量、食料安全保障、自己申告による健康状態の改善も明らかになった。 子どものBMIは目立って減少していませんが、研究者らは、これらの利点は子どもの発達、長期的な健康、幸福にとって重要な指標を反映していると述べています。

「このインセンティブを受け取った参加者はより多くの果物と野菜を摂取し、臨床的に適切な結果が得られたという結果を見て私たちは興奮しました」と、研究の上級著者で栄養疫学者でありフリードマンスクールのニーリーファミリー教授であるファン・ファン・チャン氏は言う。 「私たちはこれらのプログラムを大規模に実施する必要があり、それは特に肥満、糖尿病、高血圧などの低所得層の成人に対するケアの改善に役立つ可能性があります。」

調査された記録は、通常は医師の紹介を受けて、9 つの農産物処方プログラムに平均 6 か月間登録した患者のものでした。 ほとんどの参加者は、指定された食料品店やファーマーズ マーケットで引き換えられるバウチャーまたはカードを受け取りました。 処方箋は、成人向けプログラムでは一世帯あたり月額平均 43 ドル、子供向けプログラムでは一世帯あたり月額 112 ドルをカバーしました。

「私たちの調査結果は、農産物処方の有意義な利点について、さまざまなプログラムからの重要な新たな証拠を提供しており、臨床、政策、医療保険の支払者と医療提供者の農産物処方プログラム実施の取り組みの必要性を浮き彫りにしています」とZhang氏は言う。